菜 葉 菜(金子文子/虚無主義者・無政府主義者)

東京都出身。

2005年、映画『YUMENO』(鎌田義孝監督)で初主演し、本格的に女優デビュー。以後、瀬々敬久監督の『ヘヴンズ ストーリー』、『64』など話題作品に出演。

『どんづまり便器』(12/小栗はるひ監督)でゆうばり国際ファンタスティック映画祭最優秀主演女優賞、映画『赤い雪』(19/甲斐さやか監督)で第14回L.A.Japan Film Festival 最優秀俳優賞を獲得。近年の主な出演作には『モルエラニの霧の中』(21/坪川拓史監督)、『夕方のおともだち』(22/廣木隆一監督)、『ワタシの中の彼女』(22/中村真夕監督)、『夜を走る』(23/佐向大監督)、『行きがけの空』(25/西谷真一監督)など多数。『四十九 SeeK.1』(シェイン・コスギ監督)が公開待機中。

映キャン賞2022最優秀女優賞、第16回アジアン・ポップアップ・シネマ映画祭(米シカゴ)にて日本人初の「功労賞」を受賞。クボタCM「ForPromise」篇ではSNS上の話題を独占した。今後公開の映画も多数控えている。浜野佐知監督作品では、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)、『雪子さんの足音』(19)に出演。


小林且弥(朴烈/朝鮮から来た虚無主義者)

1981年生まれ、山口県出身。

01年、俳優としての活動を開始し、数々の作品に出演。22年、自身が中心となり映像プロジェクト集団【STUDIO NAYURA】を設立。神奈川芸術劇場(KAAT)にて舞台「象」(22)の演出を務める。企画・プロデュースを手掛けたオムニバス映画『無情の世界』(23/監督:佐向大・山岸謙太郎・小村昌士)が新宿シネマカリテを皮切りに全国公開。映画『水平線』(ピエール瀧主演)が自身初の監督作品となる。


三浦誠己(立松懐清/予審判事)

1975年生まれ、和歌山県出身。

お笑い芸人としてデビューした後、『きょうのできごと』(04/行定勲監督)で本格的に俳優デビューを果たす。以降、映画、TVドラマなどで活躍中。 近年の主な出演作は、『ケイコ目を澄ませて』(22/三宅唱監督)、『霧の淵』(24/村瀬大智監督)、『大いなる不在』(24/近浦啓監督)、『雪風 YUKIKAZE』(25/長谷川康夫監督)、『てっぺんの向こうにあなたがいる』(25/阪本順治監督)他多数。ドラマでは「ブギウギ」(24)、「DOPE 麻薬取締部特捜課」(25)など。


吉行和子(朝鮮の祖母)

東京都出身。

1957年、舞台「アンネの日記」でデビュー。以降、映画、舞台、TVドラマ、執筆など多方面で活躍。『愛の亡霊』(1978/大島渚監督)、『東京家族』(13/山田洋次監督)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『折り梅』(01/松井久子監督)で毎日映画コンクール田中絹代賞を受賞。エッセイ「どこまで演れば気がすむの」では日本エッセイストクラブ賞を受賞している。近年の主な出演作は、『誰かの花』(22/奥田裕介監督)、『湯道』(23/鈴木雅之監督)、『ココでのはなし』(24/こささりょうま監督)。 浜野佐知監督作品では『第七官界彷徨-尾崎翠を探して』(98)、『百合祭』(01)、『こほろぎ嬢』(06)、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)、『雪子さんの足音』(19)、と全ての作品に出演している。


大方斐紗子(香月トヨ/女囚)

1939年生まれ、福島県出身。

俳優座付属養成所卒業後数々の舞台をはじめ、TVドラマ、映画、アニメの声優などで活躍。主な出演作には、『恋の罪』(11/園子温監督)、『おじいちゃん死んじゃったって』(17/森ガキ侑大監督)、『おらがおらでひとりいぐも』(20/沖田修一監督)、『PLAN75』(22/早川千絵監督)、『ゴールデンカムイ』(24/久保茂昭監督)、『水平線』(24/小林且弥監督)など。TVドラマでは、「あなたの番です」(19)で演じた赤池幸子役も話題になる。また、高畑勲監督の初の長編監督劇場アニメ『太陽の王子ホルスの大冒険』の主人公・ホルス役の声優を務めた。浜野佐知監督作品では、『百合祭』(04)、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)、『雪子さんの足音』(19)に出演。


菅田 俊(秋山要/ 市ヶ谷刑務所所長)

東京経済大学卒業後、俳優の道を志し、東映の門を叩く。その後、唐十郎率いる劇団状況劇場に入団。劇団唐組の創立に参加した後、1987年、映画『あぶない刑事』で映像の世界にカムバック。以後、テレビ、映画、オリジナルビデオなどで個性派俳優として活躍。2003年ハリウッド映画『キル・ビルvol.1』、『ラストサムライ』に出演。近年は『BUNRAKU』(ハリウッド)、『DIRTY HEARTS』(ブラジル)、『CUT』(イラン)まど海外作品に出演し、国際派としての活躍が著しい。


結城貴史(前田吉文/栃木支所長)

1976年3月24日生まれ、宮城県出身。

2001年、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で俳優デビュー。第1回松田優作賞優秀賞を受賞した『オボの声』(18/齋藤孝監督)で主演をつとめる。主な出演作に『カオサンタンゴ』(20/キム・ボムサム監督)、『越年 Lovers』(21/グオ・チェンディ監督)など。ディズニープラスで独占配信されているオリジナルドラマ「フクロウと呼ばれた男」(24)の主要キャストの一人として出演。初監督作品『DitO』(24)では主演も務め、国内外で高い評価を受けた。 浜野佐知監督作品では『雪子さんの足音』(19)に出演。


佐藤五郎(吉川巳之吉/宇都宮刑務所長)

1979年6月28日生まれ、神奈川県出身。

2010年に『酔いがさめたら、うちに帰ろう』(東陽一監督)で映画デビュー。その後『シン・ゴジラ』(16/樋口真嗣・庵野秀明監督)、『追憶』(17/降旗康男監督)に出演。2020年公開の井筒和幸監督の『無頼』では3000人のオーディションの中から加藤滋役に選ばれる。以降『アンダードッグ』(20/武正晴監督)2022年には『キングダム2遙なる大地へ』(佐藤信介監督)、『ラーゲリーより愛を込めて』(瀬々敬久監督)、『ケイコ目を澄ませて』(三宅唱監督)など7本の映画に出演。その他、近年の出演映画として『春に散る』(23/瀬々敬久監督)、『福田村事件』(23/森達也監督)、「笑いのカイブツ」(24/滝本憲吾監督)、『罪と悪』(24/齊藤勇起監督)、『スポットライトを当ててくれ!』(24/高明監督)、『冗談じゃないよ』(日下玉巳監督)がある。また小路紘史監督の『辰巳』では1500人の中から兄貴役に選ばれている。


洞口依子(片山和里子/仏道婦人之会・教誨師)

東京都出身。

85年、『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(黒沢清監督)の主演にて俳優デビュー。以降、黒沢清監督や伊丹十三監督作品、久世光彦演出・向田邦子原作ドラマ作品などに出演。92年、フジテレビ系のドラマ「愛という名のもとに」で幅広い人気を獲得。近年の主な出演作は『沈黙 -サイレンス-』(16/マーティン・スコセッシ監督)、『終点は海』(22/鯨岡弘識監督)、『白鍵と黒鍵の間に』(23/冨永昌敬監督)、ディズニープラス配信「SHOGUN -将軍-」(24)など。 浜野佐知監督作品では『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)に出演。著書に「子宮会議」。


白川和子(池田マサ/教誨師・地元の寺の僧侶夫人)

1947年生まれ、長崎県出身。ワハハ本舗所属。

日活ロマンポルノ『団地妻』シリーズで人気を獲得し、映画やテレビ、舞台を中心に活躍。主な出演作は『青春の殺人者』(76/長谷川和彦監督)、『復讐するは我にあり』(79/今村昌平監督)、『黒い雨』(89/今村昌平監督)、『凶悪』(13/白石和彌監督)、『光』(17/河瀨直美監督)、『山女』(22/福永壮志監督)、『春画先生』(23/塩田明彦監督)、『サンセット・サンライズ』(25/岸善幸監督)、『桐島です』(25/高橋伴明監督)など。浜野佐知監督作品では『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』(98)、『百合祭』(01)に出演。 第21回日本映画批評家大賞「ゴールデングローリー賞」、第73回毎日映画コンクール「田中絹代賞」受賞。


鳥居しのぶ(沼部よき江/女監取締)

静岡県出身。

小劇場の劇団から野外劇「椿組」へ。舞台を中心に映画、TVドラマ、声優(吹替)、CMに出演。他、レポーター、イベント司会、広告モデルなど。テレビ朝日『忍者戦隊カクレンジャー』22話ゲストでドラマデビュー(94)。05年、主演作のショートフォルム『D』」(駒谷揚監督)がGreat Lake Independent Film Festivalグランプリ受賞、Santa Barbara International Film Festival入選など多数受賞。他、主な出演作は、映画では『ユニットバス・シンドローム』(05/山口智監督)、『代行のススメ』(09/山口智監督)、『青春Hシリーズカレーのにおい』(11/山口智監督)など。 浜野佐知監督作品では、『こほろぎ嬢』(06)に主演。


和田光沙(長沢カネ/女監取締)

1983年生まれ、東京都出身。

19年、『岬の兄妹』(片山慎三監督)で第34回高崎映画祭最優秀新進女優賞を受賞。近年の主な出演作に『菊とギロチン』(18/瀬々敬久監督)、『パラダイス・ロスト』(20/福間健二監督)、『蒼のざらざら』(20/上村奈帆監督)、『由宇子の天秤』(21/春本雄二郎監督)、『誰かの花』(22/奥田裕介監督)、『映画(窒息)』(23/長尾元監督)、『みんな笑え』(25/鈴木太一監督)、『国宝』(25/李相日監督)、『ミーツ・ザ・ワールド』(25/松居大悟監督)、『てっぺんの向こうにあなたがいる』(25/阪本順治監督)など。


咲耶(大西ヤスエ/女囚)

2000年生まれ、東京都出身。

17年、『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』(広田レオナ監督)で俳優デビュー。23年、「君が死ぬまであと100日」でドラマデビュー。TBS金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」のレギュラー出演で注目される。ほか、『桐島です』(25/高橋伴明監督)『粛々のモリ』(広田レオナ監督)に出演。


巣山優奈(13歳の金子文子)


贈人(財津富蔵/特高課長)

1970年生まれ。東京都出身。

テレビドラマや映画、オリジナルビデオ、CMへの出演など幅広く活動。劇団「絶対王様」の主演俳優として、また劇団東京倶楽部など数多くの舞台作品でも活躍している。近年の主な出演作は『CONNECT覇者への道』等多数。 浜野佐知作品では『雪子さんの足音』(19)に出演。


森 了蔵(望月桂/画家・無政府主義者)

1972年、東京都出身。

菅田俊主宰の劇団東京倶楽部に所属し、数多くの舞台に出演。また、自主映画から商業映画まで個性的な役柄を多数演じている。主な出演映画に『64』(16)、『虎狼の群れ』(17)、『カメラを止めるな』(17)、『サイレントナイト』(25)等がある。


関根大学(牧野菊之助/大審院裁判長)

1957年、鹿児島県出身。

ジャパンアクション倶楽部(JAC)の初期メンバーとして、長年スタントマンとしてアクションを中心に活動。菅原文太の民放初主演ドラマとなった『警視庁殺人課』で俳優デビュー。以降、俳優としての活動を本格化させる。主な出演作に『戦国自衛隊』(79)、『菊次郎の夏』(99)、『座頭市』(03)、『リトルウィング3月の子供たち』(13)などがある。


浅野寛介(北一輝/思想家・国家社会主義者)

1986年生まれ、愛知県出身。

ジャッキーチェンに憧れて幼少期よりアクション、中国武術(カンフー)を始める。中国武術では10代の頃に全日本大会、世界大会で優勝。2006年に俳優デビュー。公開待機の初主演長編映画『四十九-Seek』が海外映画祭にてすでに78の賞を受賞している。


足立智充(西田税/思想家)

1979年生まれ、静岡県出身。

23年、佐向大監督「夜を走る」(21)にて第23回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞。近年の主な出演作に、白石和彌監督『狐狼の血LEVEL2』(21)、三宅唱監督『夜明けのすべて』(24)、足立正生監督『逃走』(25)、佐向大監督『中山教頭の人生テスト』(25)、鎌田義孝監督『蘭島行』(25)、中野量太監督『兄を持ち運べるサイズに』(25)など多数。映画だけでなく舞台、ドラマ、CMと幅広く活躍している。


監督 浜野佐知

徳島県出身。

高校時代に映画監督を志し、1968年ピンク映画の業界へ。1971年監督デビュー。1985年旦々舎設立。以後、監督・プロデューサーを兼任し、300本を超える作品を発表。

1998年から一般映画の制作・配給も手がける。主な作品に『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』(98)、『百合祭』(01)、『こほろぎ嬢』(06)、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)、『雪子さんの足音』(19)など。

著書に「女が映画を作るとき」(平凡社新書)、「女になれない職業」(ころから)。 2000年第4回女性文化賞受賞。


脚本 山﨑邦紀

1948年生まれ、福島県出身。

マンガ編集者、風俗ライターを経て浜野組脚本担当。ピンク映画、薔薇映画監督。

[主な作品] 『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』(98)、『百合祭』(01)、『こほろぎ嬢』(06)、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(11)、『BODY TROUBLE〜男が女になる病気』(14)、『雪子さんの足音』(19)など。


撮影監督 髙間賢治

1949年生まれ、東京都出身。

都立大学在学中より若松プロで撮影助手を始め、76年、CMカメラマンとして独立。79年『月山』で劇映画デビュー。81年に文化庁芸術家在外研修制度により渡米、ハリウッドとニューヨークで1年間、撮影技術を学び、日本映画界に「撮影監督」という概念を持ち込む。『1999年の夏休み』『風の又三郎−ガラスのマント』で二度のヨコハマ映画祭撮影賞、『白い馬』でポーランド映画祭子供審査員撮影賞、『ラヂオの時間』で日本アカデミー賞優秀撮影賞、『春との旅』で映画ペンクラブ撮影監督賞を受賞。2023年、文化庁長官賞受賞。24年、自主制作ドキュメンタリー映画『りりィ 私は泣いています』を公開。 著書に「撮影監督ってなんだ?」「シーナ映画とコーキ映画」「マスターズ・オブ・ライト完全版」


音楽監督 吉岡しげ美

東京都出身。

作曲家・ピアノ弾き語り。1977年より、金子みすゞ、与謝野晶子、岡本かの子、茨木のり子、新川和江など日本の女性詩人の詩や短歌、『万葉集』『枕草子』などに曲をつけ、ピアノの弾き語りで「音楽詩」の活動を始め、国内外でコンサートを開催。

2010年8月「鎮江市栄誉市民」の称号を授与。作曲・編曲のほか、演劇、放送番組、ミュージカル、映画などの音楽も多数担当し、幅広く活躍中。

著書に「アメリカで与謝野晶子をうたえば」(朝日新聞社)、「想ひあふれて」(毎日新聞社)、「金子みすヾをうたう」(クレヨンハウス)、「トクトクぴゅ~ん」(岩崎書店)、 「わたしらしく輝く幸せ」(亜紀書房)ほか


出演:菜 葉 菜

小林且弥/三浦誠己/洞口依子/白川和子/結城貴史/和田光沙/鳥居しのぶ

咲耶/佐藤五郎/足立智充/贈人/浅野寛介/森了蔵/関根大学/巣山優菜/草野康太

伊藤雄太/紫木風太/小水たいが/藤本タケ/宝井誠明/荒木太郎/柳東史

大方斐紗子/菅田俊/吉行和子

監督:浜野佐知

企画:鈴木佐知子  脚本:山﨑邦紀  撮影監督:髙間賢治(JSC)

音楽監督:吉岡しげ美  照明:上保正道  録音:山口勉  美術:佐々木記貴

セットデザイン:中嶋義明  製作:森満康巳  助監督:永関勇  衣裳:青木茂

ヘアメイク:小堺なな  編集:目見田健

製作・配給|旦々舎

日本|121分|©旦々舎映倫レイティング|PG12